男性に薄毛、ハゲをひきおこす原因として大多数を占めると言われているのがAGA(男性型脱毛症)です。
最近はAGA治療を専門とするクリニックのCMや車内広告などもよく目にするようになって、AGAという言葉の認知度も上がってきていると感じます。
AGA専門クリニックでAGAによるハゲ治療のために処方されているのがAGA治療薬。
AGA治療薬がどんな仕組みで薄毛、ハゲを治療するのかについて解説します。
目次
男性をハゲさせるAGA(男性型脱毛症)とは
まずはAGAについて。
AGAは一度発症すると自然治癒することはなく、放置すれば確実にハゲます。
ハゲから身を守るためには、まずAGAがどうして起こるかを知っておきましょう。
髪の毛の育成に重要なヘアサイクル
髪の毛は頭皮にある毛包という器官で作られています。毛包は要するに毛穴のことです。
毛包の底では毛母細胞が細胞分裂を繰り返し、髪の毛を作っています。
そして、毛母細胞の下にある毛乳頭が、血液によって運ばれてきた栄養を受け取り、毛母細胞に与えています。
毛乳頭はまた、毛母細胞が髪の毛を作るスケジュール=ヘアサイクルの調整もしています。
ヘアサイクルには3つの段階があります。
- 成長期:約2年~6年
- 退行期:約2週間~3週間
- 休止期:約3ヶ月~4ヶ月
毛母細胞は一度できたら一生同じ細胞が髪の毛を作り続けているのではなく、数年たったら活動を止めて分解され、また新しい毛母細胞が作られています。
休止期に入るとそこに生えていた髪は抜け、その間に新しい毛母細胞が作られてまた成長期が始まります。
こうすることで毛母細胞が新陳代謝して健全な育毛機能が保たれているのです。
AGAはヘアサイクルを乱すからハゲる
AGAは、本来なら最低でも2年は続くはずの成長期を極端に短縮してしまいます。
毛乳頭では5αリダクターゼという酵素が作られています。
男性ホルモン・テストしてロンが血液に乗って毛包まで運ばれてきて、5αリダクターゼと結合すると、DHT(ジヒドロテストステロン)という強力な形に変換されます。
DHTは毛乳頭の受容体に結びつくことができます。
DHTを受け取った毛乳頭は、そこで毛母細胞に対してもう成長を止めなさいという指令を出します。
成長をやめて退行期に入った毛母細胞は死ぬだけです。
毛母細胞の死は新しい毛母細胞が作られるスイッチを入れるため、また新しい毛母細胞が髪の毛を作り出します。
しかし、DHTが作られている限り毛母細胞は毛乳頭からもう死ねと命令されるだけ。
こうして髪の毛が作られなくなると毛包が退化して、最終的にはハゲになります。
- 頭皮でDHT発生
- DHTを受け取った毛乳頭が毛母細胞の働きを止め、成長期が短縮される
- 新しい毛母細胞ができても短期間で退行期に
- 髪が育たないまま抜ける
- 最終的にハゲる
この流れを止めるためには、1の段階でDHTを作らせないのが最も有効です。
日本で認可されているハゲ治療薬は三種類
日本で認可されているハゲを直すためのAGA治療薬成分は3種類です。
- ミノキシジル:外用
- フィナステリド:内服用
- デュタステリド:内服用
日本皮膚科学会が作成しているAGA治療のガイドラインで、AGAに対して「行うよう強く勧める」Aランクに分類されているのはこの3種類のみです。
参照元:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
この3種類のうち、ミノキシジルを主成分としたリアップ、リグロ、スカルプD メディカルミノキ5などは、薬局、ドラッグストアなどで購入可能。
フィナステリドとデュタステリドは医師の処方箋がなければ購入できません。
頭皮塗布ハゲ治療薬:ミノキシジル
ミノキシジルは元々高血圧治療のための内服薬でした。
ところが副作用として多毛症が発生したため、発毛薬として研究されるようになったという経緯があります。
なぜミノキシジルで髪が生えるのか、最近の研究では、
- 毛乳頭への血流改善
- 毛乳頭の成長因子生産促進
- 毛母細胞のアポトーシス抑制
などの効果によるのではないかと考えられています。
毛母細胞は退行期になるとアポトーシス。つまり自死して分解されます。
これを抑制することで成長期を維持するということのようです。
なお、日本で認可されているのは外用ミノキシジルのみです。
内服用ハゲ治療薬1:フィナステリド
フィナステリドはAGAと同じDHTが原因で起こる前立腺肥大症の治療薬として開発されていました。
臨床試験で同時にAGAが改善したという被験者が出たために、ハゲ治療薬に転用されています。
フィナステリドはテストステロンと似た構造を持ち、5αリダクターゼと結びつくことができます。
テストステロンより先に5αリダクターゼと結びついて、テストステロンがDHTに変換されるのを防ぎます。
フィナステリドは日本ではプロペシアという商品名で販売されています。
内服用ハゲ治療薬2:デュタステリド
デュタステリドはフィナステリドより後に開発された薬です。
その効果はフィナステリドと同様5αリダクターゼと結びついてDHTを作らせないこと。
フィナステリドとの違いは、フィナステリドが2型5αリダクターゼのみ阻害するのに対し、デュタステリドは1型と2型の5αリダクターゼを阻害できます。
また、効果の持続時間もフィナステリドより長くなっています。
デュタステリドの商品名はザガーロです。
ハゲを治療するAGA治療薬には副作用がある
ミノキシジル、フィナステリド、デュタステリドの3種類はどれも医薬品として効果があり、厚生労働省に認可されている医薬成分です。
だったら、薄毛、ハゲを治すにはこの治療薬を使えばいいのではないかと思うかもしれません。
しかし、この3種類どれも、効果が高い反面副作用もあるのです。
ミノキシジルで確認がされた副作用
ミノキシジルには、非常に多種、多数の副作用が報告されています。
参照元:ミノキシジルのリスク区分について
ミノキシジルの副作用(一部) | |
---|---|
神経系障害 | めまい、頭痛 |
心臓障害 | 動悸 |
呼吸器障害 | 呼吸困難 |
皮膚障害 | 頭部粃糠疹(フケ症)、接触皮膚炎 |
これらは症例が多かった副作用です。
症例が少ない中には、アレルギー性皮膚炎、不眠症、精神障害、男性機能低下などもあります。
日本で未認可のミノタブの副作用
ミノキシジルの内服薬は通称「ミノタブ」と呼ばれています。
ミノタブには、外用ミノキシジルが持つ副作用より多くの副作用があります。
一例としては多毛症、低血圧、多臓器不全、肝臓障害など。
多毛症は全身の体毛が異常に増える病気です。
ミノタブは日本では認可されていません。
個人輸入でミノタブを入手して飲用し、重い副作用が出たという情報もあります。
ミノタブは効果よりもリスクのほうが高いので、個人輸入などで入手し、使用するのは絶対やめてください。
フィナステリドで確認された副作用
フィナステリドにもいくつかの副作用があり、最も重大な副作用は肝機能障害です。
参照元:https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00066205
他にも皮膚の過敏症や生殖器への障害、抑うつ症状など多数の副作用があります。
男性にとって特に注目すべきなのは、性機能に対する副作用が非常に多いということです。
そして、服用をやめてからも副作用だけが持続したと言うのも恐ろしいです。
年齢を問わず、性的に現役でいたいという男性はフィナステリドの服用はやめておいたほうがよさそうです。
妊婦のフィナステリド服用は絶対に不可
フィナステリドはAGAの原因となるDHT発生を抑制する薬です。
しかし、DHTは男の子が胎児のときに男性器を形成し、性別を確定するという重要な役割をもちます。
男の子を妊娠している妊婦がフィナステリドを飲むと、胎児に危険な影響を及ぼします。
医師が妊婦にフィナステリドを処方することは絶対にありえませんが、家族や知人などから入手する可能性はあるでしょう。
もし仮に妊娠による影響で薄毛になったとしても、絶対にフィナステリドを服用してはいけません。
デュタステリドで確認された副作用
デュタステリドもフィナステリドとほぼ同様に、肝臓障害、過敏症、性機能障害などの副作用があります。
参照元:https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00065940
また、副作用の発生率は17%と、フィナステリドよりはるかに高くなっています。
フィナステリドにはない副作用としては、多毛症、そして脱毛症があります。ハゲ治療薬で抜け毛が増えることになるなんて笑い話にもなりません。
デュタステリドはフィナステリドよりも効果が高い薬であると同時に、フィナステリドよりも恐い副作用がある薬です。
薄毛・ハゲ対策にはAGA治療薬より育毛剤を
AGA治療薬には非常に多くの副作用があります。
そのリスクを考えれば、AGA治療薬は最後の砦としてできるだけ使わないほうがいいはずです。
最後の砦にすがる前に試すべきなのが育毛剤です。
薄毛やハゲの原因はAGAだけではありません。
育毛剤は、AGAに加え、頭皮環境の悪化などが原因の抜け毛、薄毛に広く対応できます。
今最推しの育毛剤イクオスEXプラス
数多い育毛剤の中で今最もお勧めできる育毛剤は「イクオスEXプラス」です。
イクオスEXプラスには124種類の成分が配合されていて、
- 5種類の有効成分による頭皮環境保全
- 独自成分アルガス-3による育毛サポート
- 植物成分による抜け毛予防
などの効果が期待できます。
イクオスEXプラスは、AGA治療薬のような強力な治療効果はありません。
しかし、穏やかながらも一定の効果があると厚生労働省が認めた医薬部外品であり、性機能障害のような危険な副作用もなく、長く使うことで薄毛、ハゲを予防できると期待できます。
抜け毛や薄毛が気になったら、AGA治療薬よりまずイクオスEXプラスを使ってみてはどうですか?